2008年8月15日 (金)

Anime NEXT 2008(その4)

その3から続く)

注意!ここから先はアダルトアニメ鑑賞会の見聞記です!!
↓↓↓

※アニメボストンのときと同じく、深夜になると会場に入れるのが成人のみとなり(ID提

示必要)、エロ・暴力・ブラックジョークをテーマにしたパネルが増える。アニメを上映する部屋ではアダルトアニメややおいアニメを上映し始めるのも同じ。「アダルトアワー」となった際の会場の内外の様子につき下写真参照。

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23:30~26:00 What? Why? Hentai!
※SM雑誌のプロの縛られモデル(?!)の女性(下の写真で前で立って話している人物。写真だと分かりづらいがセーラームーンのコスプレをしていた)が、日本のアニメやゲームにあらわれるフェティシズムやオナニーネタを紹介していくパネル。紹介していく際に、女性の右側にあるスクリーンに実際の画像の例を出していく。ご丁寧にプリント(handouts)まで配布し、そのプリントの後ろには参考文献一覧まで載っていた。

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●紹介された項目は(プリントに表記されていた通りに書くと)、Hentai(変態)/Ukiyo-e(浮世絵)/Shunga(春画)/Urabon(裏本)/Ecchi(エッチ)/Seijin(成)/Yaoi(やおい)/Shonen-ai(少年愛)/Shudo(衆道)/Yuri(ゆり)/Shoujo Ai(少女愛)/Lolicon(ロリコン)/Shotacon(ショタコン)/Gravure Idol(グラビア・アイドル)/Panchira(パンチラ)/Tekoki(手コキ)/Ashikoki(足扱き)/Bukkake(打っ掛け、ブッカケ)/Gokkun(ゴックン)/Bakunyuu(爆)/Futanari(二形、ふたなり)/Kemonomimi(獣耳):Cat, Rabbit, Dog, Fox/Furries/Yiff/Hadaka(裸)/Zenra(全裸)/Nyotaimori(女体盛)/Wakamezake(わかめ酒)/Seme(攻め)/Uke(受け)/Shibari(しばり)/Ushiro Takate Kote(後ろ高手小手)/Shinju(真珠)/Karada(体)/Tentacle rape/Robophilia/Tamakeri(玉蹴り)/Omorashi(オモラシ)/Klismaphilia/Ero Guro(エログロ)/Acrotomophilia/Apotemnophiliaと、非常に多岐に渡っていた。例として出された画像(CG)で、筆者が識別できたものは、彩画堂(ショタコンの項目で)、夜勤病棟(オモラシの項目で)、武藤慶次の絵(作品不明)、禁断の血族など。全体的に引用されていたCGは古めのものが多かった。

●発表者のコメントの内で興味深かったものは次の通り。①彩画堂は素晴らしい(awesome)(これに対して会場からは賛同の歓声)。②パンチラ自体は1920年に日本女性が西洋式のスカートをはき始めたころに既に見出されていたが、フェティシズムとしての「パンチラ文化(panchira culture)」は1960年代に顕在化した(例として出された画像に対して、「Nice angle!」という合いの手が)。③女体盛で女性の身体に刺身を盛るのは、刺身は人肌に温まったくらいが食べ頃だから(←本当か?)。また刺身だけでなく、「デザート女体盛」もあり、女性の体にクリームを塗ったりフルーツを盛ったりする(例として出された画像には、本当に女体盛の刺身を囲んで乾杯をしようとしている日本サラリーマン風の一団の写真が)。④ロボフィリアの例としてはGhost in the Shellの素子がある。

●発表者はプロのSM縛られモデルであるためか、SMの縛りについても熱く語っていた。すなわち、①縛りと言っても拷問とは異なり、ブッシュ政権とは違う(グアンタナモ基地のことを指していると思われる)。ジュネーブ条約違反ではない(笑)。②自分は縛られたあと、縛り跡の残る肌を観るのが大好き。とても美しい。③SMは手ひどくいじめているように見えるが実は厳格なルールに従って行われている。流血したら即中止だし、鎖骨やひざの裏などは決して責めてはいけないことになっている(鎖骨の下には重要な血管や神経が通っており、またひざの裏は下手をすると歩けなくなってしまうから)。また縛る際にも無理のない関節の曲げ方など、多くの知識を要する。④身体を縛っているロープを切る際には、先の曲がったハサミ(家庭用の隙間や手の届かない所を切るためのハサミ。スーパーマーケットで数ドルで売っている)がお勧め。これで切れば肌を傷付けないですむ。

●発表者は上記のような過激な内容を発表していたが、しかし本人自身は異常な印象は全くなく、きわめてノーマル(快活)に整然と話していた。発表中、SMでの縛り方を写真付きで解説している出版物を回覧していた。

<所感>
●「女体盛」や「わかめ酒」について、発表者は「日本では一般的(common)」と紹介していたが、一般的ではもちろんないと思う。少なくとも筆者はこれまで一度も実物を見たことがない。ただ実際に写真を見せられてしまうと「本当に一般的なのかも知れない」と思ってしまうのも無理もなく、某新聞ではないが、また日本の誤ったイメージが伝えられてしまっている、と感じた。この手の針小棒大的誤解を食い止めるためにはどうすればよいのか。

※さらにその後Hentaiアニメの上映部屋に入ったつもりが間違えてYaoiアニメ上映部屋に入ってしまい、「お金がないっ」を1時間観る羽目に…小杉十郎太が声を当てていたことに驚愕。

(二日目に続く)

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2008年8月12日 (火)

Anime NEXT 2008(その3)

その2から続く) 

※会場内観察
会場内のDealers Roomと呼ばれる大ホールには各会社のブースが設置されており、そこでアニメDVDその他関連グッズが販売されていた。興味深いブース・見聞内容は以下の通り。

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<京都アニメ?>
●Dealers Roomの見取り図のごく小さな一画に「Kyoto Anime」とあったので「まさか京都アニメーションがこんな小さなコンベンションに来ているのか?!」と思い行ってみたが、案の定普通のアニメグッズショップだった(写真参照)。試しに店員に「日本の京都アニメーションと何か関係があるんですか?」と聞いてみたところ、「関係がない」とのこと。彼曰く、名前に「Kyoto」と入れた理由は、創立者がこの会社を創ることを思いついたのが彼が米軍(日本の米軍基地?)にいたときで、そのための会議をよく京都で行っていたため、とのこと。創立した際に日本に京都アニメーションという会社があるとは全く知らず、彼らとの関係もないのだが、最近北米のファンから京アニと関係があるのかとの問い合わせが殺到して困惑している、とも言っていた(むしろ困るのは京アニ側だと思うが…)。

<イチャイチャパラダイスバッグ>
●これは…ナルト…?

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<デスノート20ドル>
●安っ。

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<同人誌を漁る人たち>

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●18禁の「Yaoi/Hentai」コーナーでエロ同人誌を一心不乱に漁っている二人組を発見(笑)。 横で見ている女性の売り子の視線が… ちなみに二人が立ち去った後で彼らが漁っていたところにどんな同人誌があるのか見てみたところ、彩画堂の同人誌が並んでいた(古いYuri/Atena Friendsシリーズや成年被後見人シリーズなど)。彩画堂のHentai同人誌はこちらでもかなり人気で、深夜の18禁パネルでも紹介されていた(後述)。

<日本のお菓子>

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●「コアラのマーチ」や「プリッツ」「ラムネ」「大福」といった日本のお菓子を販売しているブースもあった(これはニューヨークアニメフェスティバルやアニメボストン、アニメエキスポでも同様だった)。また、緑茶をオレンジジュースを販売するときのような透明な水槽のようなタンクに入れ、「Japanese green tea!」と言ってコップに注いで売っている明らかに日本人ではないアジア系の売り子がやっているブースもあった。

<Tシャツあれこれ>
●正式にライセンスを得ているのかは不明…

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(その4に続く)

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2008年8月10日 (日)

Anime NEXT 2008(その2)

その1からの続き)

20080810a 13:00~14:00 Anime Music Videos
●アニメミュージックビデオ(略称AMV。日本におけるMADムービーに相当)のコンテスト(会場の様子につき右写真参照)。AMVコンテストはアニメコンベンションでは定番のイベントとなっている模様。アニメボストンのときと同様すごい盛り上がりを見せていた。グランプリ作品の中には、思わず拍手したくなるようなかっこいい(面白い)ものが多数あった。例えばこのAMV(アクション・アップビート部門グランプリ)。アニメとポップソングの組み合わせは、洋楽まで視野を広げれば、(洋楽にもいい曲はたくさんあるので)まだまだ新しい組み合わせ・表現の可能性は尽きないのではないか、と思われる。

●ただし、アメリカのポップソングなどと組み合わされると歌詞やセリフに含意されている意味などが完全に外人仕様になってしまって日本人には何が面白いのかさっぱり分からない、というケースが多々あった。例えばこのAMV(パロディ部門グランプリ)。この手のAMVを完全に理解して楽しむには、①そのアニメを知っていること、かつ②当てられている曲を知っていること、の双方が必要と考えられる。その意味で筆者にも理解できたのはこのAMV(コメディ部門グランプリ)。

●しかしながら、これらYoutubeに上がっているAMVの説明文を読むと、同じ作者が同一の作品を異なる複数のアニメコンベンションにノミネートして各地での賞を総なめにしている模様。たとえば「The Harassment of Kyon」などはアニメNEXTという比較的小規模なコンベンションだからこそグランプリを取れたのだろう(もっと大きなコンベンションに行けばさらにハイレベルのAMVが出てくるのだろう)と思っていたのだが、同じ作品が最大規模のアニメEXPOにもノミネートされていて、しかもそこでもグランプリを取った模様。その意味では、北米全土におけるいわゆる「AMV職人」の層は意外に薄いのかも知れない。日本のMAD職人がこういうコンテストにノミネートしたら結構賞を取れるのではないか、と思った。

14:00~16:00 Hare Hare Fever /Lucky Star Fever20080810b
●「涼宮ハルヒの憂鬱」のEDのいわゆる「ハルヒダンス」と「らき☆すた」のOPのいわゆる「らきすたダンス(Lucky Star Dance。実際そのように呼ばれていた)」の踊り方講座。エキシビジョンホールの一角のかなり広いスペースを使って開催された。学校の朝礼形式でパネリストが皆の方を向いて並んで立って実際に踊ってみせる。彼らの背後にはさらにスクリーンがあり、「ハルヒダンス練習用・左右逆バージョン」の動画も同時に流される(写真およびこの動画を参照)。 20080810c_2

●全くの初心者のために、曲(TV版EDサイズ)の曲を何箇所かで区切り、最初は通常の半分の速度で練習する。「じゃあ行くわよー。はい、nazo、nazo…」の声に合わせながら大人数の集団がゆっくりと振り付けを踊っていくさまや、「じゃあ次は『boon』のパートからスタートします。ここの部分はreally fastだから気を付けてね!」などというコメントが出る光景はかなりシュールだった。

●北米版ハルヒのDVDが発売されたのは2007年5月だが、それ以前(日本でのテレビ放映時)から既に「ハルヒダンス」は北米ファンの間でよく知られていたことを考えると、2年近くたった現在も未だハルヒダンスの人気が衰えていないことが興味深かった。北米は日本に比べて流行のライフサイクルが長いのかもしれない。例えばこのような公式のプログラムとは別に、会場外の広場でアドホックに「ハルヒダンス」が踊られるシチュエーションがあったようなのだが(この動画参照。筆者は参加時は気がつかなかった)、これなどは日本でしばらく前に話題になった「大人数でハルヒダンスを踊るオフ」を彷彿とさせるものがある(日本では今でもこのようなオフは行われているのだろうか)。

●「ハルヒダンス」講座に続いて「らき☆すたダンス」講座が行われたが、この二つが彼らの頭の中で同列に扱われている(ハルヒダンスの次のトレンドはLucky Star Danceだ、と考えている節がある)のも興味深い。筆者はパネルが「らき☆すたダンス」講座に移った時点で退場したのだが、このダンスもやはり会場のあちこちで踊られていたようだ(例えばこの動画。こんな振り付けだったっけ?)

●ちなみにダンス関連でいえば、Caramelldansenも踊られていた(この動画この動画参照。)。

その3に続く)

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2008年8月 8日 (金)

Anime NEXT 2008(その1)

Anime NEXT 2008詳細
日時:2008年6月20日(金)~22日(日)
場所:Meadowlands Exposition Center(NJ)

2000871_6 ※右写真は会場外観

<6月19日(木)>
●開催地(ニュージャージー州セコーカス)到着 後、チケットの事前ピックアップのため会場に向かったが、ピックアップ窓口が開く30分前に行ったのにもかかわらず既にかなりの行列ができていた。

<6月20日(金)>
※朝、ホテルの1Fで朝食を摂って自分の部屋に戻ってくると、自分の部屋の向かいの部屋から音楽がガンガン漏れ聞こえていた。しかも良く聞くと日本語で、さらに良く聞くとアイドル声優のアニソンのようだった(曲名までは判別できず)。自分の部屋のドアを開けるのとほぼ同じタイミングでその部屋のドアが開き、見ると中からコスプレしたアメリカ人の若者が男女入り混じってぞろぞろ出てきた(明らかにアニメNEXT参加者)。高校高学年か大学学部生と思われたが、一般にこの年齢層はお金がないので、遠隔地からコンベンションに参加する際には大人数でホテルの部屋を一つ取ってシェアして泊まるのが一般的のようだ。それにしても女性アイドル声優のアニソンといえば日本では女性が好んで聴いているという話はあまり聞かないが、北米では女性オタクも男性に混じってよく聞いている様子(部屋から出てきた女性ファンの一人は「私この曲大好きなのよ!」という趣旨の発言をしていた)だったのが興味深かった。北米のオタク世界は日本のオタク世界におけるような男女間の断絶がないとは聞いていたが、その片鱗を観た思いがした。

12:00~13:00 How to survive an Anime Con for Parents
※子供に頼まれて会場への運転手やら引率やらで来たはいいが、そもそもアニメコンベンションが何をするイベントなのか全く知らないため、子供がこの会場で何をしているのか、どういう情報に接しているのか、そもそも安全なのかといったことが分からず不安になっている親のためのパネル。アニメコンベンション参加歴の長いベテランがアニメコンベンションの基本的な説明と、連れてきている子供が、教育上よろしくない情報(アダルトや暴力表現)に接しないようにするのはどうすれば良いか等についてアドバイスする。参加している保護者は10人程度。

●まずパネリストよりアニメ及びアニメコンベンションの基本的な説明が行われた。アニメについては、Animeとは日本初のアニメーションのことであり、その日本のアニメーションは日本のマンガを元に作られていることが多い/アメリカのカートゥーンと異なり内容の幅が広く、子供向け(kids friendly)からそうでないものまである(特にhentaiとはポルノのことなので子供がそういう内容の本を持っていたら注意)、など。アニメコンベンションについては、アニメのファンが同好の士との交流を深めるために開催されるものであり、彼らはそれに参加することによって帰属意識(sense of belonging)を高めたり、コスプレで自らのクリエイティビティをアピールしたりする/コンベンションは夜通し続くこともあり、また夏場の会場はとても暑くなるので飲料水の携帯は必須/コンベンションで生き残る(survive)ために「6-2-1ルール」ということがよく言われている。すなわち、コンベンション期間中は、1日につき「6」時間の睡眠、「2」回の食事、「1」回のシャワーが最低限必要、というもの(これは筆者は初耳だった)/通常週末の金・土・日の3日間で行われるが、メインは土曜日で、金曜日は前夜祭として夜にゲストバンドのライブが行われることが多い(従って金曜の夜はかなりうるさくなる)/夜遅くまで行われる場合が多いので遠方から来る場合は近場のホテルに部屋を取った方がよい、など。

●続いて質疑応答。まず年配の女性から「自分はミシガン出身だが、30年前に近所でDoctor Whoのコンベンションがあった。当時自分は参加したかったのだがお金がなくて行けなかった。アニメコンベンションとはそのようなものと考えていいか」という質問があった。これに対するパネリストの回答は「そのようなものと考えてください。Good comparisonです。アメリカにおける似たような集まりとしてはほかにスタートレックのコンベンションがあります。スタートレックのファンはアニメファンととても似ています」というものだった。

●次に14歳の娘を持つという母親より「自分は娘から『友達と行くので運転手不要。ついてこなくていい。』と言われたが、友達同士で出かけるのはまだ早いので自分の車で娘をここまで連れてきた。帰りに娘が何を買ったのかをチェックするのだが、どういう点に気をつければ良いか。」という質問があった。これに対して、パネルに親子連れで来ていた参加者の子供の方(10代と思われる女の子)から、「『Yaoi』『Yuri』『Hentai』と書かれている冊子に気をつけるべき。これらはポルノです。」とのアドバイスが。またパネリストからも「『slash』『lemon』『pron』という表示にも気を付けてください。slashはゲイポルノ、lemonはレズポルノの隠語です。pronもポルノ(porn)の語順を入れ替えただけの隠語です。」とコメントがあった。

●親は子供が14歳になってもまだカバンの中身をチェックするのが当然、という相場観(前述の親の発言は何らおかしなことではない、という雰囲気で議論されていた)が日本のそれとは異なる(日本では中学2年生の娘のカバンをいちいち調べる親はそれほどいないと思われる。少なくとも、チェックして当たり前とは考えられていないだろう)と思い興味深かったので筆者より会場の母親に質問を兼ねたコメント:「日本では親は子供が14歳くらいの時期にはもうカバンや部屋の中をチェックするようなことはしなくなっているが、アメリカでは何歳くらいからそのようなことをしなくなるのか。チェックをやめる時期について何か基準はあるのか。やはり額面通り18歳以降なのか。」これに対して明確な答えは得られなかったが、会場の親達からは以下のようなコメントがあった。すなわち、親の観点からすれば子供が自分の目の届かない所で良からぬことをやっていることが最も恐い(14歳という年齢は、まだ親が子供が何をしているか・何をすべきか・何をすべきではないかを全て把握しているべき年代だと思う)。子供には、自分も理不尽に怒ること(freak out)はしないから何を買ったか、何をしたか正直に話しなさいと言っており、open discussionをするようにしている。さもなければ子供はクローゼットに閉じこもってしまうし、むやみに禁止すれば余計にやりたくなってしまうもの。自分は子供が12歳のときに部屋の本棚をすべてチェックして、アダルトな内容のもの等ふさわしくないマンガや冊子を全て没収(pull out)したことがある。

●別の親からは、子供がRPGに夢中になっていることに関連して、自分は子供がバーチャルな世界での役割で遊ぶ(role play)よりも前に、まず現実世界での責任を果たすことを学んで人格形成するべきと考えているため、子供にはなるべくRPGでは遊ばせないようにしている(stay away from RPG)、とのコメントがあった。

●さらに別の親からは、こういう場所に来ると、自分が高校生の時にTreky(Star Trekのファン)だったこと(そしてやはり親が鬱陶しかったこと笑)を思い出す、とのコメントもあった。

●パネリストより、最前列に座っている自分の家族を紹介。妻と中学生くらいの娘と4歳くらいの息子。パネリストは自分自身が昔からアニメのファンで、結婚して子供ができた後は家族でこのようなアニメコンベンションに参加しているらしい。アニメコンベンションの治安を心配している親の参加者達に対して、コンベンションは危険な場所ではなく(犯罪も誘拐もない)、小さい子供と一緒に楽しむにはとてもいい場所である旨紹介。息子に対しては、中学生の姉がいろいろ見せたり読ませたりしてオルグしているらしい。息子に対して、「親と一緒じゃつまんないんじゃない(bored to death with parents)?」と冗談めかして話しかけている参加者がいたが、彼はまだ親と一緒に出かけるのが楽しい様子だった。

●パネリストに対しては、参加者より「このようなパネルを開いてくれてありがとう。」との感謝の言葉が相次いだ。

<所感>
●アメリカにおける大人向けアニメ・マンガの展開を考えるにあたって、主要ターゲットの一つたるティーン以下の年齢層に対する「親の管理力」は侮れないと再認識した。自分の経験と照らし合わせて考えてみても(小学校高学年や中学生の時分に読んでいるマンガを親からチェックされたりRPGを規制されたりといったことは皆無だったし、おそらく親の方もそのようなことをする気は始めからなかったと思われる)、日本の基準からすればかなり「強権的」に映るが、しかしそれが社会的に当然のこととして容認されているようだった。それだけ未成年については、彼らのすることを親が全て把握するべきで、何をしてよくて何をしてはいけないかは親が決めるべき、という規範が強力に共有されている、ということか。

●アニメコンベンションに限らず、アメリカにおいて「保護者同伴」を要求される年齢の上限は日本に比べて非常に高いと思われる。たとえば大学の説明会なども高校生の子供に親がついてくる光景は決して珍しいものではないらしい。

●そういった管理に対する子供の側の反発ももちろんあると思うが、その観点からは、「Yaoi」「Hentai」といったジャーゴンを参加者の親に教えてしまったパネル参加者の女の子の行動はどう評価されるのだろう、と少しだけ思った。

続く

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2008年7月 8日 (火)

中川翔子ライブinロサンゼルス

Ae2008_2 Anime EXPO 2008速報:中川翔子コンサート
日時:2008年7月5日(土)13:00~14:00
場所:Nokia Theater(Los Angeles)

※右写真は開始前のノキアシアター
※中川翔子(以下しょこたん)コンサート中の写真撮影は禁止されていたため、開始前の写真しか撮影できず(しかしYoutubeにはファンが隠し撮りしたと思われる動画が大量にアップロードされているが…)。

●本コンサートの目玉は、「劇場版天元突破グレンラガン紅蓮編」の主題歌である「続く世界」のワールドプレミアライブ。北米では、TV版グレンラガンDVDの発売が開始されるとともに、本年7月からSFチャンネルでの放送も決定しており、グレンラガン熱がヒートアップしている。ライブ参加者の多くは「続く世界」とTV版主題歌「空色デイズ」が目当てで来たと思われる。

●7000人強収容できるノキアシアターが最終的にほぼ満席になった。しょこたんはライブ中のトークは全て英語で行っていた。短いワンセンテンスを連ねていく簡単な形だったが、それでも観客の反応は非常に良かった。ただ「続く世界」を歌う前の曲の説明(これは劇場版グレンラガンのテーマソングであり、ここでのライブがワールドプレミアになる旨の説明)は若干長かったためか、カンペを読んでいる様子だった(足元にあるスクリーン?のようなものを見ながら話しているようだった)。

●カラオケだったのかバックバンドがいたのかは不明。少なくともコンサート中のステージ上には終始しょこたん一人のみだった(スカシカシカシパンマン除く)。ただドラムの音などは非常に臨場感があったので、ステージ背景のカーテンの後ろで演奏していたのかも知れない。

●ライブ開始と同時に会場が暗転し、しょこたん登場。和服のようなコスプレ。一曲目は「1/2」。「この曲良く知らないけど、なんだかよく分かんないけど始まったぜイェエアアアア!」的に盛り上がる。

●曲終了後、しょこたんより「Do you know GIZA and GIGANTO?」と問いかける。観客席の前の方の人たちは「当然!」という感じだったが筆者のいた真ん中から後ろにかけては「何だろう」という雰囲気。「Giza means “very.” Giganto means “very very!”」と言ったところで笑いが起きる。「Thank you GIZA Much!」「Please enjoy cosplay!」と言ってしょこたん舞台袖に消える(コスチュームを着替えるためだった)。次の曲が始まるまでの少しの間、後ろの席の参加者(女性グループ)が「She is so sweet and innocent!」と興奮気味に話していた。

●二曲目はアニソンカバーメドレー。ハルヒのコスプレをして登場し、「デリケートに好きして(クリィミーマミ)」→「テレポーテーション(エスパー魔美)」→「ムーンライト伝説(セーラームーン)」→「輪舞-revolution(少女革命ウテナ)」→「ハレ晴レユカイ(涼宮ハルヒの憂鬱)」を歌った。「ムーンライト伝説」以下三曲は北米でも人気のアニメのテーマソングで観客もよく知っていたためか、会場の雰囲気は一気にヒートアップ。「ハレ晴レユカイ」の映像も凝っていた。

●三曲目は「スカシカシパン少し変?」。アニメカバーメドレーを一通り歌い終わったところで、しょこたんおもむろに「Do you know Sukashikashipanman?」と会場に問いかける。自分の背後にいた参加者は「えー?何それ?知らんー!」と反応していたが、実際にスカシカシパンマンが登場すると「何かよく分からないけどこいつおもしれー!」といった感じで結構受けていた。歌の途中から「みんな踊って!」としょこたんに促され、割とノリノリでうねうね踊っていた。

●四曲目?は「calling location」。モニターによるPV上映のみ。なんでこれだけPVのみなんだろうと思っていると…

●しょこたん綾波レイのコスプレ(プラグスーツ)で登場。会場大興奮。後ろにいた参加者が「Oh my god!」と窒息寸前のような声を出す。ここでサプライズがあり、アスカから激励のメッセージが届いているとのことでモニターにアスカの姿が。絵は恐らくエヴァ本編の使いまわしだがセリフはオリジナル。声もちゃんと宮村優子。「LAにわざわざ歌いに行くなんて、あんたバカァ?」「ちゃんと気合い入れて歌いなさいよ!」「デビュー1周年おめでとう。」等のメッセージ。五曲目は「残酷な天使のテーゼ(新世紀エヴァンゲリオン)」。

●しょこたんが(コスチュームを着替えるために)舞台袖に消えた後、アルバム「Big☆Bang!!!」のCMが流れる。

●六曲目は「Shiny GATE」。「東京オリンピック2008」のPVがそのまま流れ、コスチュームもPVのものと同じだった。

●七曲目は「Brilliant Dream」。八曲目は「君にメロロン」。「墓場鬼太郎」のシーンもいくつか流れる。九曲目は「Snow Tears」。

●バラード調の曲が続きまったりしてきたところで、ついに真打登場。モニターに「グレンラガン」のトレイラー(英語吹き替え版)が流れる。会場は「キター!」という感じで総立ち。しょこたんヨーコのコスプレで登場。モニターに映る「グレンラガン」のOPアニメーションとともに「空色デイズ」。続けて「happily ever after」。こんな動画も。

●最後にしょこたんより劇場版グレンラガンの紹介のあと「続く世界」。大盛り上がりの内にしょこたん舞台袖へ消える。歓声は止まず「アンコール」コールが出る。会場が再び暗転ししょこたん登場。ヨーコのコスプレの上にピンクの半被のようなものを羽織っていた。一通り挨拶をした後、「ブログのための写真を撮らせて!」と携帯電話を取り出す。参加者総立ちで諸手をあげてポーズをとる(ブログの写真はこのとき撮影されたものと思われる)。

●アンコール曲は「ロマンティックあげるよ(ドラゴンボール)」。「アンコール曲はドラゴンボールの…」で会場は「イェー!!↑↑」となるが、「…ロマンティックあげるよ!」で「?」という雰囲気に若干なる…それでも最後は大歓声とともに幕を閉じた。

※筆者は中川翔子のファンというわけではなかったのだが、コンサート後アルバム「Big☆Bang!!!」を欲しくなったのでコンサート後該当ブースに行ったのだが、少量しか仕入れていなかったらしく既に品切れの模様…もう少し多く持ってきてほしかった…

<所感>
●筆者はいわゆるライブのコンサートに参加するのはこれが初めてだったのだが、それを差し引いても、ほぼ満席となった会場が終始とても盛り上がっていたので、このライブは大成功だったのではないかと思った。

●ただ、北米のファンが知っている曲(ムーンライト伝説、輪舞、ハレ晴レユカイ、残酷な天使のテーゼ、空色デイズ)とそうでない曲との間で、盛り上がり方に差があったのも事実。アニメコンベンション中のコンサートということで参加者は第一義的にはアニソンを聞きに来ていたはずなので、非常に欲張りなことを言えば、もっとアニソンを前面に出しても良かったのではないか、と思う。

以上

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2008年5月21日 (水)

Anime Boston 2008詳細(その8)

前回から続く

21:00~23:00 Bad Anime
※発表者は前日の「Subversive Anime」と同じ人。今回はブラックジョークのきついアニメというよりは、大昔のアニメを見てそれにツッコミを入れて楽しむ、という趣旨のパネル。

●まず題材となったのは「マグネロボ・ガ・キーン(英語名Magnos)」。その設定の荒唐無稽さ(なぜか突然宇宙人が地球を侵略してきたり、主人公が無駄に武者修行していたり)やメカデザインのダサさ(まるでロボットがマタニティを着ているみたいだ、との評)、シュールすぎる合体シーンなどにツッコミを入れまくる。

●登場するキャラクターに対するツッコミも多かった。ヒロイン花月舞の前髪に対しては「お姉さん一体どんなジェル使ってんすか?」、敵のブレーン総司令官に対しては「いやあ子供がブロッコリー嫌いな理由が分かるよ。」、やはり敵のデバイス諜報長官に対しては「いつの時代のコンピューターだこれは」など。

●特に意味不明の場面は、「本日のmoment of zen」という表題のもとにもう一度流された。特に印象深かったのは、敵を追いかける合体ロボットのヒザの関節が焼き切れてしまった時に「こんなこともあろうかと」的なノリでヒザの横から車輪が出てきてその車輪をギュルギュル回転させながら敵を追いかけ続けた場面(ヒザの横の車輪はこの動画の42~45秒あたりに一瞬出てくる)。なぜzenという表現が出てくるのかは不明。アメリカ人の頭の中では「zen=意味不明なもの」という図式があるのだろうか?

●続いて題材となったのは韓国製アニメ「Protectors of Universe」。パネリスト曰く「あまりにもシャビーのでこれも70年代の作品かと思ったらなんと90年代なんだぜあはは」。ロボットが突然銀河鉄道ばりの列車になったりする場面などにツッコミを入れる。

<所感>
●過去の作品を現代の水準で批判することの根本的な不毛さはあるが、昔の作品をネタにして面白がる楽しみ方は日本でも行われているし、パネリストも観客もその辺は分かった上でやっているようでもあり、それほどの悪意は感じられなかった。

23:00~24:30 Hentai 18+
※いわゆるエロアニメの上映会。会場の雰囲気や、入場には写真付きIDの提示が必要なのは前日と同じ。やはり男女混合。

●上映されたのは「悪戯 THE ANIMATION 一両目」。ちなみに筆者も初見…日本版と異なりモザイクがかかっていない無修正版だった。

●上映されている部屋の中は男女入り乱れて凄まじく下品な盛り上がり様だったのも前日と同じ。女性の局部が映し出されると歓声が上がり、主人公がチ●コを出すと「行けーっ!」「早く突っ込めー!」という相の手?が入った。

<3月23日(日)>
※最終日は完全にお開きモード(16:00で閉会)となっており、人影もまばらで、開催されるパネルやイベントも少なかった。10:00~11:30に開催されると記されていた「Lucky Star Dance」のパネル(らきすたOPのダンス講座)に10:30頃顔を出したが既に終了していた。特に新しい発見もなく、終了。

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2008年5月18日 (日)

Anime Boston 2008詳細(その7)

二日目その2から続く)

17:00~18:30 Student’s Guide to Tokyoパネル
※東京に長期滞在経験のあるパネリストが、東京への旅行・滞在を考えている参加者に対して、旅行・滞在のコツなどを共有するパネル。結構人が入っていた。

●「よい外人」になるためにはどうすれば良いか?なによりもまず、できるだけ日本語を話すようにするべき。典型的なアメリカ人がよくやるような、いきなりデカい声で英語で話しかけたり、道端や電車内で盛り上がるのは印象が悪い。慣れないことにも辛抱強く(patient)対応することが大事。

●チップは不要。逆に失礼に当たるケースもある(←ただし日本にも「お釣りはいらない」という形でのチップ払いの裏ワザがあるのではないかと筆者は個人的に思った)。

●六本木(pongi)には行かない方が良い。アホな外人だらけだし、そうでなければ米軍関係者しかいない。米兵は日本では(沖縄での数々の悪行のために)嫌われている(沖縄での米兵問題については、参加者のほとんど全てが「何のことか分からない」という反応だった)。

●治安は非常に良い。たとえ女性がどんなに夜遅く一人で歩いても、犯罪に巻き込まれることはほとんどないと言っていい(pongi除く)。落とした財布はほぼ確実に戻ってくる(しかも中のお金まで抜き取られたりせずそのままだ!)。電車内に置き忘れた物は誰にも取られることなく終点まで行き、駅員によって回収・保管される(信じられない!)。

●アニメ関連のTシャツは持って行かない方がいい。「I♥Yaoi」、「Hentai」、「日本人彼女募集中」とか書かれたTシャツなど言語道断(笑)。多くの一般的日本人は我々が崇拝しているほどアニメをappreciateしていないということに留意するべき。日本ではオタクはネガティブな呼称なのだ。漢字がプリントされているTシャツでも、その意味が分からなければやはり着て行かないほうが賢明。大抵恥ずかしい意味だったりするので、アホに見られる(笑)。

●渋谷には「まんだらけ」がある。ここはもう天国(heaven)としか言いようがない。とにかくマンガ・アニメ・関連グッズの物量が信じられないほど凄い。自分は中野に住んでいて、中野にも「まんだらけ」がある。4~5階建てのビルがまるまる一棟マンガ・アニメ・関連グッズではちきれんばかりに満たされている光景を想像してほしい。そんなビルはアメリカ中どこを探してもないし、一旦中に入ってしまうと物を買わずに出てくることはほとんど不可能である。

●渋谷にはハチ公の銅像がある(ここでハチ公の由来を紹介。概ね正確)。ハチ公は渋谷の待ち合わせスポットとして有名だが、そのため誰もがハチ公で待ち合わせするので、人でごった返して結局待ち合わせスポットとしての機能を果たしていなかったりする。

●原宿にはゴスロリのコスプレをしている人たちがいる。他にはキテレツな(weird)服屋が軒を並べている。

●新宿は基本的にオフィス街だが、歌舞伎町だけは気をつけた方が良い。

●秋葉原は言うまでもなくcoolな街。

●築地では何と午前4時からfish marketをやっている。中の飯屋ではその日水揚げされた新鮮な魚を使った寿司や刺身がすぐに食べられる、という仕組み。

●電車は文字通り時間通りに来る。駅で電車を待っていて、予定の時刻を30秒経過しても電車が到着していなければ、それは運行上何か問題が発生していることを意味する。また、電車は(これも驚くべきことに)午前1時前後まで運行している。それでも最終電車を逃した場合に取るべき選択肢は3つある。①カラオケボックスで夜を明かす(ドリンク含め5ドル程度で朝まで居ることができる)②マクドナルドで夜を明かす(東京ではたいていのマックは24時間営業)、③マンガ喫茶で夜を明かす、の三通り。

●東京は都市計画なくして造られた街なので、道は初心者には分かりづらい。そもそもほとんどの場合、道に名前がついてない(アメリカでは道に名前がついており、その名前で行き先等の目星をつけることが多い)。ブロックごとの番地の番号にも規則性がない。1番地の隣のブロックが6番地だったりする。これは恐らく開発した先から番号を付けていったためだと思われる。そのため、ランドマークは非常に重要で、特に(われわれアメリカ人にとっては)スターバックスの店舗はとても分かりやすい目印になる。実際スターバックスは街中いたるところにあるので、待ち合わせ場所としても使えたりする。人に道を尋ねても、「この道をまっすぐ行って、○○屋さんの角を右に曲がって…」という風に、ランドマーク中心の道順説明をされることが多い。

●アニメの本場日本に行ったからと言って一日中部屋でアニメばっかり見ていてはいけない(笑)。せっかく日本にいるのだから、外に出て、色々と体験するべき。しかも不思議なことに、日本にいるとアニメへの興味は徐々に失われていく。これはなぜなのか自分でもよく分からない。

※最後にネタとして、ラーメンズの寿司屋をネタにしたDVDを流して終了。参加者はネタとして理解していたようだが(パネル終了後「あのDVDめっちゃ面白い!欲しい!アメリカではどうやったら手に入りますか?」とパネリストに質問している人がいた)、あの手の高度にねじれた笑いは逆に本気にする外人も出てきかねないのでかなり際どい試みだと思った。

※続いて質疑応答
●(東京への旅行を考えているが、ベジタリアン用のメニューを用意している店はどれくらいあるか)一般的に言ってとても少ない。あなたがベジタリアンである場合は食事には少し苦労するだろうと思う(アメリカの場合、ベジタリアン用のメニューがある店はファーストフード店含め結構一般的)。

●(宿泊費を抑えるため東京の外に泊って、観光するときだけ東京に入ることはできるか)可能。東京の郊外にも都市はいくつもあり、そこで宿代を安く抑えることはできる。ただ、一般的に、東京から離れるほど英語の通じる可能性が低くなることに留意。候補地としては、千葉、横浜あたりか(←横浜はさすがに遠すぎないか?というより、横浜もそれ単独で観光の対象になる所だと思うが…また東京でも、安宿は探せばいくらでもあると思われる。)。

●(なぜ日本では犯罪が少ないのか)分からない。理由は分からないが事実として犯罪はアメリカに比べてとても少ないし、大抵のアメリカの都市にあるような「ここは行っちゃだめ」という危険エリアは東京にはない。「日本だから」としか言いようがない。

●(日本に滞在する際に最も苦労することは何か)コミュニケーションに慣れるのがやはり難しい。なまじ少し日本語ができるようになってくると、言いたいことが頭の中にあるのに、それをどう日本語で言ったらいいか分からず余計もどかしかったりする。

●(東京の気候はどうか)温暖。緯度としてはサウスカロライナと同じなので、その辺りをイメージすればよい。これが典型的なこの季節の東京での一週間の天気(と言って、ネット上の東京の一週間の天気予報表をプロジェクターに表示)。

<所感>
●「萌え」「セカイ系」パネルの発表者と比べ、かなり正確に日本を理解していること、また日本への好意を感じた。この発表者は日本への滞在期間も年単位らしい。外国の正確な理解というのは、やはりその国に対する好意・尊重の度合いと、実地での滞在経験の長短によって決まってくるものなのだろうか。

※引き続き同じ部屋で同じ発表者による「Japanese Baseball」というタイトルのパネルを開始。セントラルリーグやパシフィックリーグの説明や各球団の解説。オリックスをIT企業と説明していたほかはおおむね正確。阪神タイガースの外野席での応援の熱狂を映した動画を流して、メジャーリーグでもこのような参加型の応援ができればいいのに、といったコメント。メジャーでは応援団や応援歌を流して「かっとばせー●●」という形の応援はないが、熱狂的なファンはそれに若干の物足りなさを感じているらしく、日本式の応援にシンパシーを感じているようであった。

二日目その4に続く

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2008年5月16日 (金)

Anime Boston 2008詳細(その6)

前回から続く

9:00~10:00 How to Staff an Anime Con
※Anime Boston 2008の運営スタッフが、他の地でアニメコンベンションを企画している人たちに対して、どうすればうまく運営できるかをアドバイスするパネル。参加者はそれほど多くなく4~5人程度だった。

●大前提として、これは営利活動ではなく、ボランティアの仕事であり、従ってボランティアスタッフで成り立っているということ。メンバーを信頼すること、メンバーや外部スタッフとの諸々の人間関係が何よりも重要。チームワークが基本。他方で、開会期間中にスタッフの誰がきちんと働いていて、誰がさぼっているかをしっかりと見極めることも重要。400人余りいるスタッフの一人一人の良いところと悪いところを把握することが大事。

●スタッフの住んでいる場所はボストンに限らない。たとえばメンバーの一人はシラキュース(ニューヨーク州北部の中規模都市)に住んでいて、事前の定期的なミーティングには参加できなかったが、開会期間中はしっかり貢献してくれている。

●セキュリティスタッフは外部の警備会社と契約して確保する必要があるので、なるべく早めに会社を選定して、顔合わせを済ませておくことが重要。

●ゲストの招聘の仕方には決まったやり方はない。誰を呼びたい(とスタッフが考える)かと、彼らへのコネクションがあるかどうかで決まる。例えば今回来ていただいているPillowsは、直前まで招待することにはなっていなかった。確か2か月くらい前になってスタッフの誰かが突如として思いつき、急遽来ていただくことになった、という経緯だったと記憶している。

●開会期間中に対処に苦労することとしては、列に並んでいる人たちを通行の邪魔にならないように壁際に寄せること、喧嘩の仲裁(無理やり解決しようとしてはいけない)、パーティで羽目を外す人たちへの対処(過去飲みすぎて倒れ救急車で運ばれた人がいる)、コンサートの管理など。来場者は運営スタッフを非常に厳しく見ているということを自覚するべき。コンサート中スタッフが物を投げれば、他の観客も物を投げ始めるものだ。

●運営スタッフとして働くことは常に楽しい。仕事はとてもハードで、開催期間中はじっとしていることはほとんどないが、世界を変える(change the world)ことができる。非営利団体での経験になるので、履歴書にも書ける。

<所感>
●日米の「アマチュアリズム」の違いを感じた。日本であれば、アマチュアリズムは創作に向かう(例えばコミケの参加サークルの多さ)が、北米では消費及びそのためのファン組織づくりに向かう(全米各地で開催されているアニメコンベンションのほとんどは非営利組織による運営だし、北米におけるアニメファンの母集団も「ファン組織」として拡大していった)ということか。広大な国土や企業支配力の弱さなどの要因があるのだろうが、(アニメ関連に限らず)非営利団体の立ち上げやそれへ参加することが何ら特別なことではなく、ごく自然に行われている、という社会背景の違いもあるように思う。

次回に続く

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2008年5月13日 (火)

Anime Boston 2008詳細(その5)

日時:2008年3月21日(金)~23日(日)
場所:Hynes Convention Center(Boston)

<3月22日(土)>
企業パネル
※筆者はADV Films、AnimeonDVD.com、Bandai Entertainmentのパネルに参加。それらを通じて感じたことは以下の通り。

1.流通は弱い?
日本アニメの世界的な競争力の高さが言われて久しいが、そのアニメを固定した具体的な製品を北米の消費者の手元に届けるための流通体制は意外にもろいのではないか、と思った。GENEON USAは撤退してしまったし(未だにパネルではこの話題が出る)、ADV Filmsは、本コンベンションが開催される直前の時期に理由説明なく大量の自社取り扱いアニメDVDの流通を突然止めたたり、英国支社の閉鎖、Newtype USAの廃刊などが相次いだため、アニメビジネスから全面撤退するのではないか(GENEON USAの再来か)など、業界内及びファンの間で様々な憶測を呼んでいた(そのためか、ADVパネルは開始前から大勢のファンがパネル部屋の前で列を作って待っており、会場場ほぼ満席だった)。もともと日本の最新アニメが正式なDVDとして北米消費者のもとに届くまでには数か月から1年のタイムラグが発生しているところへ、日本国内での何らかの状況の変化があるとすぐに北米への供給が止まってしまうのでは、最新アニメをリアルタイムで見たいという海外(北米に限らず)のアニメファンの欲求は満たされないのではないかと思った。

2.「顔の見えない」日本?
タイムラグとの関連でいえば、「日本で出ているあのタイトルはいつアメリカでリリースされるのか」という質問は定番のように出る(極端な例では上記のような供給のストップ・遅延が起こったときに、「止まっているあのタイトルはいつアメリカでavailableになるのか」という質問が出る)が、パネルにおけるそのような質問に対する企業の説明は、意図せざる結果として「日本側が止めている」という印象を与えてしまっているように感じた。このような質問に対する企業の回答は大体「大丈夫です。日本側と精力的に調整しています。」というもの(「詳細については今は言えない」という回答もある)。このような説明が現状でできる精一杯のものであることは理解できるが、権利の本丸が日本にあることは皆知っているので、例えば流通が突然止まってしまったときに、本家たる日本側でなく、現地の流通担当会社のみが表に出てきて、「大丈夫です。日本側と精力的に調整しています。」という説明をされても、「じゃあその日本の人たちは何を考えているんだろう。その人たちからの説明を聞かせてほしい。」という発想になるように思う。表に出てこない、筋の通った説明をプレゼンしない、というのは、殊アメリカの風土ではマイナスであるように感じた(多少の嘘が混じっていても堂々と説明した方が何も言わないよりはマシ、という文化のように思う)。アニメは本来的に日本人のためのものであり、第一義的に日本で完結するものであるという前提を踏まえれば、このような本家本元の「顔の見えなさ」はやむを得ないのかもしれない。ただ、「地球の裏側(つまり日本)でなんかちょっと起こったときにこっち(北米)に届くはずのアニメDVDが速攻で止まってしまう。しかもなぜそうなったのかについては説明がないので分からない。」という事態が一度ならず起きるという状況は、海外ファンの視点からはきわめて不安定で信頼できないものに映ってしまうのも事実だろう。この辺りも、ファンがファンサブに流れてしまう一因となっているのではないか。

3.言わぬが花?
コンベンションにおけるこの手の企業パネルでは常にそうなのかも知れないが、両者の間にはある種「言わぬが花」の微妙な関係があるように思える。すなわち、企業側は来場しているファンの大部分が違法ファンサブを観ていることを知っているがそれを言わず、同じくファンも実際にファンサブを観ているがそれを言わず、しかしフォーマルなやりとりはファンサブを観ていることを前提に行われる、という関係。例えばある企業のパネルでは、企業側が「DVDが売れていないのにコンベンション参加者が増えているというのはどういうことだ?」と、暗に参加者がファンサブを観ていることを皮肉めかしてコメントし、会場からも笑いが起こった場面があったが、これがブラックジョークとして成立するのもその故だろうし、Q&Aで「日本で出ているあのタイトルはいつアメリカでリリースされるのか」といった質問が必ずと言っていいほど出るのは、既にファンがファンサブでその内容をある程度知っていて、それを観たいと思っているからと考えるのが自然だろう。少なくとも、カタログや告知などの公式な情報を見ただけであれほど多くリリースに関する質問が出るとは考えづらい。企業の側のファンサブに対するスタンスも正直よく分からない。公式には「ファンサブは悪。撲滅するべき。」と言っているが、このようなパネルの場ではそのようなことは言わないし(上記ブラックジョークを飛ばしてあてこする程度)、告知トレイラーに自社製のものではなくネット上に無権限で流れているものを流用したりしている。これはファンに対する誤ったメッセージとなりえてしまうのではないか。

北米アニメファンの対アジア観
※1960年代の「鉄腕アトム」と最近公開された「鉄コン筋クリート」を観て、アニメの表現内容・表現技術の進化を論じるパネル(Astroboy and Tekkon Kinkreetパネル)が終わった後、北米のアニメファンと立ち話をする機会があったが、その中で彼らのアジア観に関する気づきの点は以下の通り。

●「鉄コン筋クリート」の作品そのもの及びそれに対するアメリカ人の反応、上映後の立ち話でまず感じたのは、「鉄コン筋クリート」における(アジアの)街の描き方と「攻殻機動隊」におけるそれは驚くほど似ており(いわゆる「ディストピア的」?規則性のないぐちゃぐちゃとした街並みで、治安が悪い。)、しかもそのような街の描き方をアメリカ人は「リアルだ」といって賞賛する傾向があるのではないか、ということ。実際、映画「鉄コン筋クリート」の監督はアメリカ人(マイケル・アリアス)だし、この映画は北米のアニメ好きの間では評判が高い、らしい。立ち話の際にいたアメリカ人のアニメファンもこの映画が大好きらしく、いかに「リアル」であるかを熱く語っていた。彼らによると、この表現はアニメの遺産(legacy)を保存する(preserve)ものであり、未来の社会(future society)のビジョンを描く確立されたやり方である、ということらしい。

●「(アジアの)街の描き方」ということでいえば、上記のようなディストピア的表現に限らず、ユートピア的な表現や、ノスタルジックな表現もあるはずだが、それらの中から「攻殻機動隊」的な表現のみが北米では「リアルだ」と評価されている点に彼らの隠れたアジア観のようなものが垣間見えるようで興味深い。あの手の描写には、彼らのアジアに関する微妙な感覚に対して妙な求心力を持って訴えかける何かがあるような気がしてならない。「リアルだ」というが、はたしてあのような街が実際に(「リアル」で)日本にあるのだろうか。「鉄コン筋クリート」で描かれている街は「宝町」とのことだが、さすがに実際の東京にある宝町はあそこまでひどくはないだろう。「未来の街を描いている」というが、おそらくほとんどの日本人は自分たちの街が将来あのようにmessed upされることは望んでいないのではないか。日本人が「リアリティ」を感じる街並みという点からいえば、「鉄コン筋クリート」の宝町よりも、例えば「true tears」の田舎の町とか、「Kanon」「Air」「Clannad」の一連のアニメにおける冬の街並み、夏の海辺の描写、校舎などに「リアリティ」を感じるのではないだろうか。下町情緒ということであれば「アベノ橋魔法☆商店街」第1話の「アベノ橋商店街」などか。事実「true tears」の舞台や「Clannad」の校舎、「アベノ橋商店街」などは実在のモデルがあるわけだし…これらの(われわれから見れば「リアル」に見える)描写に対しては沈黙し、ディストピア的描写が北米では「リアルだ」と取り上げられる彼我の「リアリティ」の差が興味深い。彼らはアジア(の未来)に何を見出しているのだろうか。

に続く)

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2008年4月12日 (土)

Anime Boston 2008詳細(その4)

回から続く

注意!ここから先はアダルトアニメ鑑賞会の見聞記です!!
↓↓↓

23:00~25:00 Ultimate Hentai
※会場もこの時間帯になるとさすがに人の数も減り、特に親子連れや子供がいなくなって若い男女のみとなり、微妙にアナーキーで隠微な熱気が充満してくる。そのような時間帯に入って登場するのが日本のポルノアニメ(北米では一般にHentai Animeと呼ばれている)。スクリーニングの部屋(1日中アニメを流している部屋)ではおもむろにHentai Animeの上映が始まり、またそのようなアニメを肴に盛り上がろうというパネルも開始される。筆者が潜入したのはそのようなパネルの内の一つ。

※内容が内容だけに、入場には写真付きIDの提示が必要。この辺りは(Hentaiグッズを購入するときと同様に)実に厳しい。ただ面白いのは、日本であれば男だらけとなるであろうこのようなイベントでも、こちらでは男女入り混じって騒ぐということ。カップルでの参加もざら。入場を待って列になって並んでいる間も、「ここはHentaiの列よ!」と叫ぶ声が男女問わず入り乱れ、「ここは何の列?」と女性参加者に聞かれることもしばしばだった。そしてそのたびに「Hentaiです」と答える羽目になるためかなりシュールな状況(笑)。

●開始直後から盛り上がりまくり。パネリストには男性と女性が半々。参加者にも女性は半分くらいいた。パネリストがハイテンションに下ネタを連発し、その度に会場が大いに沸く。パネリストが胸ポケットからペ●スを型取ったゴム製のハリボテを取り出しては沸き、「牛乳」「penis」「dick」「purple headed warrior」という言葉が出ては笑う。とにかく欲望の開放っぷりが凄まじい。「君たち、興奮して脱いでチ●コ見せないように。あ、僕が見たくないという意味じゃなくて、僕はむしろ見たいけど、ここではだめ。」とか、とにかく直接的。

●このパネルの中心は「ゲーム」(もちろんエロ)。最初のゲームは、入口で参加者に1枚ずつ渡されたチケットの番号をパネリストが6つほど読み上げ、その番号の書いてあるチケットを持っている人を前に出し、彼らにそれぞれ過激な形をしたバイブ(dildo)を渡し、それを使えば女性がいかに気持ち良くなれるかについて、機能を説明するというもの。呼ばれた人たちは中世のバイブ商人で、そのバイブを買ってもらうために女王陛下にプレゼンする、という設定。もうむちゃくちゃ。筆者は(幸運にも)番号を呼ばれなかったが、呼ばれた人たちの中にはもちろん女性もいて、淡々と(ノリノリで?)前に出て行った。

●呼ばれた人たちがプレゼンの内容を考えている間、エロアニメのAMVが流れる。引用作品が多岐にわたっていたため判別がつかなかったが、「ドラゴンライダー」と「下級生」はあったような気がする。

●時間が来て、各々がプレゼン。まずバイブの過激な形に会場が湧き上がり、続いてプレゼンターの過激な説明にさらに噴き上がる。スラングが多くてほとんど意味を把握できなかったが、「stimulate(刺激する)」といった不穏な単語は辛うじて聞き取れた(笑)。

●どの説明が一番良かったかを、会場の拍手の大きさで決める。グランプリには彼自身がプレゼンしたバイブと、さらに怪しげなプレゼントが進呈された。さらに、「これは会場のみんなへプレゼントだ!」と言ってパネリストがコンドームを宙にばらまいた。

●さらに次のゲームが始まるところで、耐え切れなくなった筆者は尻尾を巻いて退散いたしました…

<所感>
●日本のポルノアニメは90年代の「うろつき童子」以来、不道徳なものとして北米では常に批判にさらされてきた、と勉強していたのだが、この盛り上がりはどうしたことか(笑)。表ではあんなに批判してるくせに、裏ではしっかりちゃっかり楽しんでるじゃねえか!と驚き、かつ呆れた次第。

●呆れるどころの騒ぎではない。日頃よほどキリスト教的道徳律に抑圧されているのか、そのタガが外れたときの熱狂、その生々しく直接的な欲望の開放っぷりは半端ではない。おそらく自分も含めた平均的日本人は全くついていけないレベル。いわゆる「ドン引き」というやつ(笑)。北米におけるタテマエとホンネの激しすぎるギャップを見てしまった気がする。

●これはもやはいかなる意味においても「日本」ではない。確かにネタやきっかけになっているのは日本のポルノアニメだが、楽しみ方の文脈は全く別のところから来ている。

(後記 二日目、三日目のレポートを追加しました。)

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