日本でMANGA家になるための妙案
質問
私の夢は、人気MANGA家になることです。しかし、米国人が日本でMANGA家になるのは困難であると以前AskJohnにはありました。それで、MANGA家になる別の方法を探すことにしました。日本ではなく米国に残ってビデオゲームのデザイナーになって国際的人気を獲得するのです。何年かすれば、きっと自分の会社を持つようになっています。十分に人気を得たところで日本に行って挑戦、と。米国人が日本でMANGA家になるにはこの手があると思うのですが、どうでしょうか。それとももっと良い手がありますか。
回答
私の基本的見解をざっと述べましょう。ひとの夢や理想についてあれこれ言うつもりはありません。外国人でも日本でMANGA家やANIMEの監督やスタッフになるにはどうしたらよいのか、と多くの人から尋ねられます。こういう夢を抱く人たちについては、自分の本当にやりたい事をどこまで把握しているのだろうか、と思います。
MANGAの本場・日本で成功し認められたいと願う気持ちは分かりますが、仲間から一目置かれたいという理由で自分の道を決めるのは何かおかしいと思います。職業の選択は結局個人的なことです。周りの人間ではなく、当人にとって納得のいく道を職業として選ぶべきです。要するにクリエイターを志すのであれば、何よりその道で食べていけるようになることを目指すものであり、日本でMANGAやANIMEのクリエイターになるにはどうしたらいいのかを考えるのは、それからで十分です。
内なる思いを外に向かって表現することをアートと呼びます。商業アートでさえ、結局は作者その人の嗜好やスタイルに依るものです。日本で名声や人気を得られれば、それは当人にとって大いに結構なことなのでしょうが、アーティストにとって何より大事なのは、作品制作を通して自分自身をありのまま表現することです。
日本で生まれ育ったのでもない人間にジャパニーズMANGAは決して描けません。同じ理屈で、日本のアーティストにアメリカン・アートは決して作れません。しかし、外国アートに影響されること自体には何も問題はありません。ジャパニーズ・アートとほとんど見分けがつかない、時には優れてさえいるものが米国人には作れないのかというと、無論そんなことはないわけです。
MANGA風のコミックスを描くつもりでしたら、それもまた道です。MANGA風のものに挑戦するのと、日本に引っ越したり働いたりすることは、本来別のことです。MANGAを描きたいという人は、作品作りに専念すべきです。日本で仕事することにこだわりすぎると、かえって創造力が損なわれる上に、経験を積む機会をなくしてしまうことも考えられます。「MANGA家」にこだわるあまり、自己表現というアートの基本を忘れてしまっては、本末転倒というものです。
同じMANGA家志望でも、日本語が話せて、しかも日本に暮らしている人たちのほうがずっと有利ですし、数もたくさんいます。となると、日本の出版社としては、トラブル覚悟で外国人と組むよりは、国内より才能を引っ張ってきたほうが手間がかからないわけです。
ビデオゲーム・デザイナーになって、それを足掛かりに日本でのMANGA家デビューというのは悪くない思いつきです。実際、どういう修行や経験であれ、そうやって積み重ねてきたものがあったほうが、日本の出版社相手には有利です。名声はあるに越したことはありません。仕事探しで頭を下げて回っている三流人より、才能あるアーティストとして既に認められている人のほうが未来は明るいというものです。
すでに名が知られていて実力が認められているアーティストのほうに尻尾を振る傾向が日本の出版社にはあります。MANGA家になりたいという夢は立派ですが、おそらくそううまくはいかないと思います。有能で経験豊富なプロであると分かれば、そこに市場価値を認めて出版社も積極的になってくれるのでしょうが、MANGA家になりたいというのであれば、その前にプロ・アーティストになるべきです。
自費出版、大学や専門学校での履修、履歴書を作って自分を売り込んだり、自主制作映画でアピールしたり、コミックス・映画・ビデオゲーム・TV・舞台劇その他なんでもよいのですが、そこでプロ脚本家や画家として技術を学び、経験を積むのが先決です。日本のMANGA業界に売り込むのであれば、企画の持ち込みをするよりは、名声を得て日本の出版社の方より接触してくるのを待ったほうが早いはずです。
とんでもない目標を目指すアマチュアよりは、今できることをこなしていくプロになったほうが、日本のMANGA業界に入るという夢は叶いやすいのでは、と思います。
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